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介護ヘルパー時代

ホームヘルパーの資格を取って働き始めたのは19歳でした

個人のお家🏠に伺って高齢の方や障がいのある方や子ども達に会いに行って、生活をする上で必要な家事をしたり、介護をしていました
(在宅と呼ばれるものです)

早い方で早朝5時40分に朝ご飯

そこから数名の家を訪問して
大学で授業を受けていました

遅い方で20時にトイレ介助だったかな!?

いつも24時間の使い方を考えて、自分に出来ることを隙間時間に取り入れて生きていました
(ボランティアと合コンも行ってましたw)

笑えない悲しいこともあったし、介護者としての心得を学んだと同時に違和感を感じたこともありました

おじいさんにセクハラされたり💔

おはようございます☀️って訪問すると、おばあさんが大怪我をしていたり🚑

障がいのある男の子がご家族さんから虐待を受けていたり

歳の近い男性の入浴介助♨️担当になったり

んーーーー!??!??!?

って思った疑問が山盛りでした

どんな仕事も長く続けていると、最初に感じた違和感が薄れていったりしますよね

たまに忘れないように振り返る様にしています💓
そして自分の気持ちを再確認しています💓
ある日、友人と大学内をうろうろしていたら掲示板に「メンタルフレンド募集」というチラシを見つけました
初めて知った言葉でしたが、
そこに書かれている言葉は、「児童相談所で引きこもり支援をしている」「心理学を学んでいる学生であれば応募できる」という内容
もしかしたら、私に何か出来るかもしれない!!!
すぐに電話をして、面接をしてもらいました
引きこもりの児童は家で孤立していることが多いから、年齢の近い大学生が訪問して友達の様に仲良くなるという活動でした
当時は訪問介護のヘルパーで障がいのある子ども達と遊んだり、地域交流のボランディア活動もしていたので、きっとメンタルフレンドも楽しめる!
きっと楽しく誰かの為になることが出来ると思って
ウキウキ気分で面接を終えました

翌日、すぐに児童相談所から連絡が来ました「阿部さんに相談があります」
 翌週に一緒に訪問して欲しい家があるとのことでした
児童福祉士の方々と詳しくお話を伺うと、児童相談所でお世話が出来る対象は限られている(年齢)けれど、とても心配な女の子がいるということでした。

ご自宅の状況、ご家族の話を聞いて初日は玄関先で児童相談所の方々と挨拶をしに伺いました
対象の女の子の顔は見えなかったですが、これからその子の為に頑張ろうと
とってもやる気満々で帰宅をしたのを覚えています

ちなみに・・・その日にスーパーで「カールおじさん」を買ったら
ハッピーカールが入ってて、私の人生の大きなスタートのようなハッピーな気持ちになったことを覚えています
ハッピーカール→通常の形ではなく蛙の形をしているやつ

初回訪問日
Aちゃんと何の話をしようかな、何して遊ぼうかなと
ドキドキよりもワクワクの気持ちいっぱいで伺いました

Aちゃんの家は、閑静な住宅街の山沿いにあり、とても不思議な形の自宅でした

それまで訪問介護で色々な方の家に伺う時は
玄関や廊下、リビングでそのご家庭の生活を感じて、お話しのきっかけを作ったりすることも多かったのでジロジロとは見ないですが、ちらりと観察するようにしています

約束の時間の少し前に到着すると、Aちゃんのお母さんは外で立って待っていてくれました
「阿部さん、宜しくお願いします」と丁寧なお辞儀をされました
私の母よりも年上のお母さんが、私なんかにこんなに丁寧に挨拶してくださって
 とても品の良い方だな~私の母と違って羨ましいな~
なんて思いながらご自宅の中へ案内してもらいました

グレーと黒がベースになっているデザイナーの玄関、エントランスにはドライフラワーの香りが広がり、掃除の行き届いた綺麗な空間

リビングまで歩いている中で
お母さんより、「Aちゃんは、昨日から家族の誰とも口を聞いていなくて、今日は阿部さんに会いたくないと言ってるんです、わざわざ来てもらったのにすみません」とのことでした
児童相談所の方より、無理に対象の児童と面会しなくてもよい、徐々に関係をつくれば良い
と言われていたので
その日は、私の自己紹介をして帰ろうとしていたところ
Aちゃんのお父さんが帰宅されて挨拶。
とっても大きなカバンを持った艶のあるスーツを着た、関東なまりの強いお父さんでした。
「阿部さん、来てもらったのにAが出てこなくてすみません」
「いえいえ、また2週間後に来させていただきます」と言って家を出ました

ちょっと家の中が寒くて、冷たい感覚
Aちゃんは、家族で遊んだりできてるのかな?と少し心配な気持ち
Aちゃんには会えなかったけど、私が来たことは伝わってるかな?
何か良いキッカケになったら良いなという願いと、初めての引きこもり支援をした達成感の想いでした

数日後、児童相談所より電話がありました
Aちゃんのお母さんが児童相談所に相談に来た
・初回訪問日の夜、Aちゃんが自宅で暴れて大変だったこと
・お母さんが暴れるAちゃんを止めるのに疲れてしまい、次回の訪問の日程を延期して欲しい

私が伺ったことで、Aちゃんには刺激になったけど
お母さんには悪いことをしてしまった・・・
私は良くないことをしたのかな?!と少し不安になりましたが

児童相談所より
「Aちゃんは、すごく時間がかかると思うけれど通って欲しい」と言われて
そうだよね、すぐに変化があるわけではない!と思って
次回訪問の準備を始めました

次回訪問した時も、会えない可能性が高いだろう
物を作るのが好きな子だから一緒に何か誘ってみて
という事でお手紙を書きました

Aちゃんへ
はじめまして、大学生の阿部さき子です
 大学では介護の勉強をしています
趣味は編み物で最近は手作りのベレー帽とマフラーで過ごすことが多いです
Aちゃんは何か趣味とか好きなことはありますか?
何かあったらいつでも連絡してきてね
070-5754-3486 阿部さき子

Aちゃんは、中学生の時に東京から北海道へ引っ越してきてから
 1度も学校も行かずに何年もひきこもって生活をしていて
近所には友達がいなく、2才上のお兄さんとも上手くコミュニケーションが取れていない

きっと寂しいだろうな・・・いつか仲良くなって一緒にお出かけできるまでの仲になりたいな
と思っていました

2度目の訪問日
お母さんが外で待ってたら申し訳ないから、早めに家の前まで行こう!と思って
10分程前に伺うと、まさかのお母さんは外に立っていました

「予定を変更してしまって、すみません
今日も出てこないと思うのですが良いですか?」

「はい、大丈夫です!お邪魔します」

リビングで、お茶をいただくとお母さんより
「Aちゃんの部屋に声かけてもらえませんか?」

Aちゃんの部屋は、階段の途中に扉があるようなドアで
耳を澄ましても音が何にも聞こえない、とても静かな部屋でした

「Aちゃん、はじめまして。阿部さき子です。
今日は、お手紙書いてきたからドアの前に置いておくね」

その日の夜は、
読んでくれたらよいな?
電話くれちゃったら嬉しいな!!これから24時間PHSを持って生活しなきゃ!
と楽しみな気持ちと
また暴れてないかな?Aちゃん、Aちゃんのお母さん、怪我してないかな??
ドキドキな夜を過ごしましたが

3度目の訪問日
お母さんは家の前に立っていませんでした
「あれぇ?!何かあったかな??日付合ってる?私、間違い???」

初めて押すAちゃん家のインターホン
ものすごくドキドキしながら押してみると
Aちゃんお母さんは出てきてくれました

いつも通りリビングに案内していただき、椅子に座ると
Aちゃんお母さんがキッチンから私に向かって
左手の人差し指を口に当てて
→静かにのポーズ
をしながら「来て来て」と手を招いています

えっつ??!何だろう???

と思って静かにキッチンに行くと
「Aちゃんが、リビングの隣の部屋にいるんです。阿部さんの話を聞いてます」

初めて見るお母さんの笑顔でした

こっそりリビングに戻って
「Aちゃんは、今日は家にいますか?」
「居るんですけどね、出てきてくれなくて、すみません」
お母さんと目で笑いながらAちゃんに聞こえる様に話をしました。

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